CRAに転職する時には、日系CROと外資CRO、どちらがいい?

CRO企業には、日系企業もあれば、外資も存在します。日系よりも外資のほうが給与が良い、外資は実力主義、日系のほうが福利厚生が手厚い、人のしがらみが多いなど、両者を比較する話が出てくることが多いのですが、実際には、どうなのでしょうか?

 

CRAに転職する時には、日系CROと外資CRO、どちらがいい?

 

また、その傾向はCRO企業にも当てはまるのでしょうか? このページでは、日系CRO企業と外資CRO企業との違いや、転職を考える時に頭に入れておいたほうが良い特徴をまとめてみます。

 

なお、日系と外資では、注力する事業領域にも、それぞれ特徴があるので、自分がどんな仕事をしたいのか、どんなキャリアを積んでいきたいのかといったことでも、選択が変わってくると考えてください。

 

日系と外資では、国際共同治験のプロジェクト比率が大きく違う

CRAとしての転職を考える際、日系と外資での最も大きな違いは、世界を視野に入れて活躍していける度合いにあると言えます。外資はグローバルなネットワークを活用して、国際的な共同治験プロジェクトをどんどん立ち上げています。

 

日系CROでも、国際共同治験に力を入れている企業は大手を中心に増えていますが、外資CROには及ばないというのが実情です。

 

また、外資CROの場合、大手外資系製薬会社とグローバル規模の包括的な提携を結び、自社で臨床開発に関わる全ての業務を独占的に受託するケースが増えています。そのため、もともと製薬会社が手掛けていた治験計画書(プロトコール)策定、プロジェクト管理といった業務もCROが担うようになっています。

 

結果として、製薬会社のCRAと同等の業務に関われるようになってきているのですが、これは自分のキャリアを考えるうえでは、かなり大きなポイントになります。日系CROで働くよりも、CRAとして確実に自分を高めていけるでしょう。

 

また、外資CROの場合、日常的に海外スタッフと連携を取りながら、仕事に取り組むことになるため、国際感覚、語学力も磨かれることになります。

 

成長意欲が高い人は外資のほうがオススメ

冒頭でも少し触れましたが、外資は実力主義、能力主義が徹底しているので、社員に対する要求度は厳しいのですが、結果を出せば、それに相応する見返り(昇給、賞与、昇格)を得ることが出来ます。

 

出世や給料にはあまり興味がない、毎日、ノンビリと働けるほうが嬉しいという人には、雰囲気が合わないと思いますが、バリバリ働いて自分を高めたい、そして、収入も上げていきたいという人には、外資はピッタリはまると思います。

 

医師主導型治験に興味がある人は日系CROのほうがいい

一方、外資にはない日系CROで働くメリットをあげるとすれば、医師主導型治験に取り組める機会が多いということがあげられます。特に大手だと、製薬会社の臨床開発よりも、医師主導型治験の受託、創薬研究や工業化研究、医薬品製造にリソースを注ぐケースが増えています。

 

これは、外資ではなかなか経験出来ないことなので、こういった業務に関心がある人は、日系CROを選ぶことをオススメします。

 

日系大手CROは研修制度と福利厚生が充実している

日系CROは人材育成に力をいれているので、社内研修制度が充実しています。未経験者に対しては、半年から1年程度の研修が用意されているケースが多く、CRAの基礎・業界特性を学ぶことから始めて、ロールプレイ研修で実践的な経験を積むことが出来ます。

 

その後も、継続的にスキルアップを図るための研修を受けることが可能です。そのなかには、語学やマネジメントスキル、リーダーシップ研修など、一般的なビジネススキルを習得するための研修も含まれているので、様々な角度から自分をスキルアップさせることが出来ます。

 

外資は実際の仕事=本番を通じて、自分を高められる環境が整っているとすれば、日系は仕事以外の場で自分を高められる機会が用意されていると言えます。

 

野球でいえば、どんどん試合に出してもらえて、そのなかで成長出来るのが外資、練習試合やトレーニングなど、プレッシャーが低い場で自分の実力を磨かせてもらえるのが日系といった感じでしょうか。

 

それぞれ向き・不向きがあるので、どちらが良いということは言えませんが、コツコツ型の人は日系のほうが合っていると思います。

 

また、これも冒頭で触れましたが、日系は福利厚生や業務のフォローアップ体制が充実しているので、働きやすさという点では外資より上です。特に子育てや親の介護をしながらという人の場合、サポートが手厚い日系のほうがやりやすいと感じるはずです。

 

日系中小CROでは、特殊な経験が出来る

日系CROのなかでも、中小だと、また違った特徴があります。CRO業界の市場拡大により、様々なCROが設立されましたが、中小が大手と同じことをやっていても勝てないため、独自性を追求しているCROが多いです。

 

最近の傾向としては、オンコロジー(がんをはじめとする腫瘍領域)などの専門領域に特化するCRO、特定保健用食品、画像診断や医師主導型治験に特化するCROが増えています。

 

1人のCRAは特定のプロジェクトに集中する専任制を導入している企業が多いため、一つの分野において、専門性を深めていきたいという人にとっては、望ましい環境にあると言えます。

 

また、時短勤務や在宅勤務を活用して、子育て中のCRAをサポートする制度を設けるなど、社員が望むライフプランの実現に積極的に取り組んでいる企業も多いです。柔軟性が高いのが中小の良いところなので、この点に魅力を感じて就職するという人が少なくありません。

 

また、大手CROへのステップアップとして、まずは中小CROで働いて、自分の専門性を磨くという判断をする人も多いです。

 

人によって、適切な会社は違う

ここまで、日系CROと外資CROの違いに見てきましたが、『どちらが良いのか?』という問いに対しては、『人によって違う』というのが回答となります。ありきたりの意見になってしまうかもしれませんが、これが正直なところです。

 

それぞれ、特色があるので、自分が魅力に感じるほうを選択するのがベストです。このあたりの判断はなかなか難しいかもしれませんが、そんな時には、CRO企業からの求人を扱う転職エージェントからアドバイスを受けるのもアリです。

 

エージェントであれば、多くの転職事例を知っているので、客観的に意見を言ってもらうことが出来ます。転職先を決める時には、貴重な情報となるので、是非話を聞いてみてください。

 

なお、その時の注意点としては、一つのエージェントの意見が正解とは限らないので、複数のエージェントにアドバイスを求めて、様々な角度から意見を集めるようにしてください。このほうが、より正確な判断を下すことが出来るはずです。

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