近年CRAの求人というのは、極めて活況です。大手CROから新興CRO、外資CROまで、様々な企業が積極的に人材登用を行なっています。その背景には、新薬の特許切れが増加しているという業界事情があります。
特許切れによって、後発医薬品が数多く販売されるようになり、それまで一定の収益を期待出来た薬の売上が激減しているといった状況が出てきています。そのため、製薬会社は、新たな収益源を確立するために、新薬開発に躍起になっています。
言うまでもないことですが、新薬開発の過程では、治験が必要となるため、それゆえCRAの採用ニーズが増加しているといった状況になっています。毎年、募集人数が1人だった会社が、今年は募集人数を5人に増やしたといったことが、あちこちで起きています。
これだけ求人ニーズが増えると、経験者のみでは回らないため、どのCRO企業でも、未経験者の採用を積極的に行っています。薬剤師の有資格者、調剤薬剤師勤務経験者というのは、元々、CRO会社からは歓迎される人材でしたが、ますます、その傾向が強くなっています。
この状況は、しばらく続くと考えられており、CRAへの転職を考えている人にとっては、非常に都合の良い状況となっています。（給与水準や福利厚生などの待遇面も良くなっています。）
ただし、試験や面接等の難易度が下がっているというわけではないので、その点は注意してください。幾ら、人が足りないといっても、CRAは極めて専門性が高い職種であり、かつ、ミスが許されない仕事なので、採用のレベルを下げることは、会社側も出来ません。
そのため、積極的に募集をかけつつも、審査は厳格に行っているといった状況です。応募すれば採用されるといった気軽なものではないので、ここは勘違いしないことです。
採用が積極的に行なわれることのメリット
求人需要が活発なことによるメリットというのは、仕事に就きやすくなるということだけではありません。全体的にCRAの人数が増えていくので、必然と社会的存在感が大きくなります。そうなると、CRAとしての待遇がより改善されていくことが期待できます。
CRAというのは、繁忙期には毎晩、終電までの残業が余儀なくされるなど、激務という言葉がピッタリの仕事ですが、社員の負担を軽減出来るように、勤務態勢の改善に取り組んでいる企業が増えてきており、労働環境は、どんどん良くなっています。
子育て支援といったことも含めて、仕事を続けやすい環境が整い始めているので、この点は、これからCRAへの転職を考えている人にとっては朗報と言えることだと思います。
良い傾向であるからこそ気を引き締めていきたい
CRAの求人が増えるというのは、働く側からすると、選択肢が多様化することを意味します。これはとても大きなメリットですが、逆に言えば、自分にとって満足が行く会社を適切に選ぶ眼が重要になってくるということです。
求人が少ない時には、『CRAとして働ける機会が持てれば十分』で終わるのが、数が多くなると、『もっと良い企業があったのでは』と思いがちです。こういった気持ちを抱いたままでは、仕事に打ち込めないですし、そうなると、勤務評価に響いてきますし、自分の成長も止まってしまいます。
これでは、自分にとっても、会社によっても良くないので、後悔がないように、事前にしっかりと情報を集めて、会社選びを的確に行うようにしてください。これは、長期的に仕事をしていくうえでは必須です。
自分で的確に判断する自信がないという人は、CRAへの転職を希望する人のサポートに慣れている転職会社に相談することをオススメします。彼らは転職のプロなので、的確なアドバイスをしてくれますし、会社が固まった時には、給与などの条件交渉を代行してくれるので、より好条件で転職出来る可能性が高くなります。
下記の転職会社であれば、CRAを目指す薬剤師のサポート実績が豊富なので、相談先として最適です。
※複数の会社と話をしてみて、最もシックリ合うところを選択するのが最も確実です。会員登録をすれば、今後のことについて、連絡をもらえるので、まずは気になったところに登録しておくことをオススメします。
いきなり求人がなくなる可能性もある
CRAの求人事情を長期的な視点で見た時に、頭に入れておくべきことは、一定期間が経過した後、一気に求人情報が減ってしまう時期が来る可能性が高いということです。これは企業側の採用ニーズが一段落したことで、起きることです。
他の医療系の求人と比較すると、CRAというのは絶対数が少ないので、たとえば、看護師のように、慢性的に人手不足に悩まされているといった職種ではありません。また、企業が次から次へ新薬開発に成功して、開発プロジェクトが落ち着いたといったことになれば、当然、CRAの求人需要は減ります。
これは確率的には、それほど高いことではありませんが、いずれにしても、CRAの求人トレンドが良いというのは、一時的な現象で終わる可能性があるということです。そのため、CRAとして働くことを本気で考えているのであれば、今のうちに転職活動に取り組むことをオススメします。
くれぐれも、『求人情報がたくさんあるからまだ大丈夫』とは、思わないようにしてください。採用ニーズというのは、予兆無くいきなり変わるものなので、予測不可能です。
