転職を繰り返す薬剤師は嫌われる

 

一般的に、転職の回数が多い人は、企業から嫌われ、どこからも雇ってもらえなくなると言われていますが、これは薬剤師でも一緒です。専門職なので、普通のサラリーマンと比較すると、多少、大目に見てもらえる要素はありますが、それにも限度があります。

 

20代、30代前半といった若いうちは、まだ仕事が見つかるとしても、40代、50代と年齢が高くなるにつれて、厳しくなるという現実もあります。(この年代になって、若い時の失敗に気付いて、後悔するという人は、少なくないです。)

 

安易な転職を繰り返してしまったばかりに、どこからも断られてしまうようになってしまったという事例は、薬剤師でも多々あるので、注意してください。(数年後に、ダメージが来ます。)

 

このページでは、転職の回数という視点から、薬剤師の転職事情について、見ていきますが、同時に、転職の回数が多い人が、どうすればいいのかという、対処法についても、お伝えします。

 

転職の多さが及ぼす影響

繰り返しになりますが、転職回数の多さというのは、デメリットにしかなりません。薬剤師の転職支援を手掛ける、大手の転職会社ファルマスタッフによると、20代で3回、40代で4~5回というのが、上限ラインとなり、この回数を超えると、仕事を見つけるのが、極端に難しくなるようです。
https://www.38-8931.com/message/post_490.php

 

もちろん、この回数というのは、あくまでも目安なので、転職の理由いかんによって、印象が違ってきますし、本人の実力によっても、状況は変わります。

 

ただし、転職回数ゼロという人と、3回という人を比べれば、前者のほうが有利なのは間違いないので、くれぐれも安易な転職は避けてください。

 

『長く働いてくれる人が欲しい』が、雇う側の本音

転職回数が多い人が敬遠される理由ですが、『採用しても、すぐに辞めてしまうのではないか』という不安が、どうしてもつきまとうからです。

 

人を雇うというのは、会社側からしても、労力がいることです。求人広告を出して、面接を行って、採用の可否を決めて・・・という、採用プロセスは、企業側にとっても、大変な作業ですし、お金もかかります。

 

辞められたら、また同じことを繰り返さなければいけないので、長く働いてくれそうな人を採用します。こういった事情があるなかで、転職回数が多い薬剤師というのは、それだけで避けたいというのが、雇う側の本音です。

 

最終的には、面接で本人の人物特性をチェックすることになりますが、転職回数が多いと、そのチェックすら、やりたくないと思われてしまいます。

 

また、転職回数が多い薬剤師に対しては、下記のようなイメージが付いて回ります。

 

  • コミュニケーションスキルに難があって、職場に馴染めない
  • 人間性に欠ける
  • 誠実さがない
  • こらえ性がない

 

こういった人と、一緒に働きたいとは思わないですよね。

 

・・・という結論になります。

 

男性と女性で差がある

ここで補足すると、同じ薬剤師でも、男性と女性では、また印象が違ってきます。結論から言えば、男性のほうが不利です。

 

女性であれば、結婚や出産で、仕事を離れるという人が多いですし、配偶者の転勤などで、どうしても、今の仕事を辞めざるを得ないという状況に遭遇するケースもあるので、転職回数が多かったとしても、企業側は寛容です。

 

もちろん、これは、転職という行為に妥当性があると判断されるからであって、たとえ、女性でも正当な理由がない転職の繰り返しというのは、ダメージになるので注意してください。

 

ただ、これは、あまり褒められたことではないのですが、女性薬剤師の場合、転職回数の多さを、ごまかしやすいということはあります。

 

もし、あなたが、過去に転職を繰り返してしまったということであれば、こういった理由を伝えることで、何とか切り抜けられるかもしれません。

 

転職を繰り返す薬剤師は嫌われる

 

転職を繰り返すと、年収が下がる

ここで、転職と収入の関係について触れておくと、薬剤師の場合、転職することで、年収が上がると考えている人が少なくありません。

 

実際、求人広告を見ると、見込み年収600万、700万といった数字も珍しくなく、今の職場よりも、高めの給料をもらえるのではと、期待してしまう人も多いでしょう。

 

でも、これは誤解です。たしかに、薬剤師は、ほかの職種と比べると、転職することで、収入が上がりやすいという要素はありますが、それにも限度があります。一般薬剤師の場合、年収600万というのが、MAXと考えてください。

 

これ以上の数字は、管理薬剤師にならないと、無理です。もしくは、薬局やドラッグストアの店長として、店舗業務全般を管理するといった仕事です。

 

また、今、年収500万円の人が転職すれば、必ず給与がアップするとは限りません。転職することで、かえって給与が下がったという事例は、決して珍しくありません

 

特に、前の職場を辞めてしまった後に、次の仕事を探す場合、なかなか良い条件の求人が見つからず、かといって、いつまでも無収入では生活出来ないので、泣く泣く、安い給料で我慢したというケースは多いです。

 

実は、雇う側も、今現在、働いていない人間だと、仕事が欲しいので、強い立場に立てるということを分かっているので、ブランクの期間が長ければ長いほど、厳しい条件を突きつけられます

 

要は、足元を見られているということですが、これは、自分から不利な立場に身を置いてしまった結果とも言えます。この状態を避けるには、今の仕事を続けたまま、転職活動を行うようにしてください。

 

これであれば、焦らずに、好条件の求人を探せますし、仮に、条件の良い転職先が見つからなかった時には、とりあえず、今の職場で働きながら、次のチャンスを狙うことも出来ます。

 

辞めてしまうと、選択肢が狭まってしまうので、くれぐれも、次の職場が決まるまでは、今の仕事を続けるようにしてください。

 

少し、話がずれましたが、薬剤師が転職すれば、給与が上がるというのは、幻想です。収入を上げるには、相応の実力が必要となるので、その点を勘違いしないようにしてください。

 

実は嫌われる転職理由

有望な転職先が見つかった時には、応募して面接を受けることになります。その際には、必ず、転職の理由を聞かれますが、ここで、どんなふうに答えるかによって、採用されるかどうかが、大きく違ってきます。

 

雇う側から見て、こんな理由を挙げる人は、採用を控えたいというものが、幾つかあるので、代表的なものを4つ、ご紹介します。

 

給料が安い

まずは、前の職場の給料が安かったからというものです。働く側からすれば、収入というのは重要なことであり、少しでも多いに越したことがないというのが、本音だと思います。

 

だから、給料が安いと素直に答える人は、正直な人とも言えますが、採用面接の時に、これを言うと敬遠されます。

 

こういった人だと、自分のところより、もっと給料が高い仕事が見つかったら、すぐに辞めてしまうのではと、不安になるからです。

 

先ほども触れましたが、一人の薬剤師を採用するコストというのは、非常に高額なので、企業側からすると、長期的に働いてくれる人を雇いたいというのが本音です。

 

ですから、『すぐに辞めてしまうのでは』と、連想させてしまうような理由はNGで、給料が安いから転職を決めたというのが、その典型例ということです。

 

人間関係が悪かった

恐らく、収入と合わせて、人間関係のトラブルというのが、転職を決める最も多い理由だと思いますが、これも面接の時には、言わないほうがいいです。

 

『人間関係が悪かった』と伝えられた時、面接官からすると、あなた自身にも問題があるのではと、思えてしまうからです。

 

本当に、前の職場で、ヒドイ人がいたとしても、面接官には、その事実は分かりません。そのため、どうしても、あなた自身のことに、目が向いてしまいます。(雇う側からすれば、まず、あなたに目が向くのは、当然のことです。)

 

こういったことを聞かされると、今の社員とうまくやっていけるのか、コミュニケーションスキルはどうなのかなど、普通以上に、厳しい目でチェックされることになるので、こういったことは言わないようにしておいてください。

 

転職を繰り返す薬剤師は嫌われる

 

仕事が忙しい

この理由も、かなり微妙です。前職が、理不尽なほど忙しい職場だったのであれば、正当な理由となりますが、採用する側からすれば、他社の内情は分かりません。

 

もしかしたら、それほど忙しくないのに、あなたが甘えて言っているのかもしれず、そうなると、いざ、自分の会社に来た時にも、同じ理由で辞められてしまうかもと、不安になり、結論として、採用するのは止めておこうという判断になります。

 

つまり、『仕事が忙しい』という理由は、妥当なものかどうか、採用する側で判断がつかないので、こういったことを言う人は、敬遠されるということです。

 

ちなみに、前の職場が、その地域では有名なブラックな会社で、激務であることが知れ渡っているような状況であれば、話は違ってきます。

 

こんな状況であれば、面接官に話をしても、理解してもらえますし、『この会社で働いていたなんて、根性がある』と、好印象を持ってもらえる可能性すらあるので、このあたりは、ケースバイケースと考えてください。

 

自分の成長につながるような職場で働きたい

これは伝え方次第と言えるのですが、自己成長というのは、転職の理由としては、マイナスの印象を与えてしまうことが少なくありません。

 

そもそも、仕事というのは、自分のためではなく、人のため=薬剤師で言えば、患者さんのためなので、あくまでも患者さん目線で、物事を考えるのが基本です。

 

ですから、『患者さんのお役に立てるように、自分を成長させていきたいです』といったふうに、患者さんのための自己成長という言い方であれば、問題ないですし、むしろ、好印象を持ってもらえる理由となります。

 

でも、『これまで内科の処方せんしか扱っていないので、今度は小児科の処方せんを扱い』といった言い方だと、自分のことしか考えていないと、受け取られてしまいかねないので、そうなると、ダメです。

 

ちょっと以外な転職理由

ここで、転職回数が多い人で、案外、ありがちな理由を一つ、シェアさせて頂きます。ありがちと言っても、これで何度も転職を繰り返してしまったため、採用してくれる会社がいなくなってしまったという事例が、多々あります。

 

なかには、30代で、こんな状況に陥ってしまったという薬剤師もいるので、あなたに、同じ傾向があるようであれば、注意してください。

 

さて、その理由ですが、遠距離の転勤が嫌で退職したというものです。全国に店舗を展開する薬局やドラッグストアだと、東京から北海道、名古屋から高知など、全く縁もゆかりもない遠方の場所への転勤が命じられることもあります。

 

遠方への転勤は希望しないことを伝えて、了承してもらったうえで転職したとしても、入社後は、どうなるか分かりません。残念ながら、自分の希望通りにいかないというケースは、多々あります。

 

これは、会社が約束を破ったとも言えるのですが、だからといって、そこで転職を繰り返せば、やはり雇う側からすれば、良い印象は持ちません。

 

もし、転勤が嫌ということであれば、全国規模の大手ではなく、ローカルのチェーンストアや、地元の個人薬局を選んだほうが、無難です。

 

薬剤師という職業は、大企業と中小企業で、それほど給与が変わるものでもないので、それほど大手にこだわる必要はありません。

 

名前に惹かれて、大手を選択する人は、薬剤師にも多いのですが、これだと大きな失敗につながり兼ねません。

 

そもそも、この事例は、自分が望む働き方に沿わない会社に入ったのが、根本的な原因となっており、つまり、この認識の甘さが、失敗につながっています。

 

ほかの職業と比べても、薬剤師は、自分にあった職場を選べる余裕があるので、どんな働き方をしたいのかを、徹底的に考えたうえで、職場を決めるようにしてください。

 

転職を繰り返す薬剤師は嫌われる

 

企業ウケする転職理由

ここまで、会社から嫌われる転職理由について、見てきましたが、では、企業ウケする転職理由というのは、どういったものになるのでしょうか。

 

実際のところ、こんなふうに答えておけばいいという、模範解答というものは無いのですが、その会社がウリとしていることに合った理由であれば、悪い印象を与えることは、まずないでしょう。

 

たとえば、求人サイトで、『1日の処方せん枚数が少ないので、それほど忙しくない』と書いてある薬局があった場合、『じっくりと丁寧に仕事をしたいので、落ちついて働ける職場を探している』といった感じで、答えます。

 

あるいは、『夕方から夜間に働ける人、歓迎』といった記載があれば、『夕方から働ける仕事を探していた』と答えれば、まず大丈夫です。

 

ウリにしていることというのは、同時に、その会社が重視していることでもあるので、そこに合致する人であれば、好印象を持つのは、当然のことです。

 

ですから、そこに合わせて、転職理由を考えて伝えるというのは、まず間違いがない方法です。もし、求人サイトを見ても、その会社のウリが分からない時には、その会社の求人を扱っている転職会社に聞いてみてもいいでしょう。

 

履歴書に武器として書ける転職

ここまで、転職の回数が多い薬剤師は、敬遠されるという話をしてきましたが、例外的に、転職回数の多さが、マイナス要素にならないケースもあります。それは、下記のパターンに当てはまる転職です。

 

管理職としての転職

管理薬剤師、店長など、管理職としての転職であれば、転職回数の多さというのは、それほど問題にはなりません。管理職になれる時点で、相応の実力があることが証明されているからです。

 

既に、数年程度、管理職として働いているということであれば、なおさらです。こういった人材は、どの会社でも欲しがっており、完全に売り手市場となっているので、転職は問題なしです。

 

大幅に給与が上がる転職

先ほど、『給与が安いから』という、転職理由はNGとお伝えしましたが、前職(現職)の給与が、不当に安く、転職すれば、大幅に給与が上がるのが確実といったケースでは、会社側も納得してくれます。

 

たとえば、その会社に転職すれば、年収が100万円近く変わってくるといった場合、逆に、今まで、そんなに安い給与でも働いていたのかと、好印象を持ってもらえると思います。でも、これが月額1万円ぐらいの差だと、間違いなく、評価が下がるので注意してください。

 

専門知識が活かせる転職

専門知識が活かせる転職というのは、がん専門薬剤師の資格を取った人が、そのスキルを最大限に発揮出来る職場として、がんセンターに転職するといったことです。

 

これは、誰から見ても、納得がいく合理的な判断ですし、受け入れる側からしても、そういった人が転職してくるのは有り難いことなので、少しぐらい、転職の回数が多いとしても、問題にはならないでしょう。

 

転職を繰り返す薬剤師は嫌われる

 

転職回数が多い薬剤師の対策

ここまで、色々な視点から、薬剤師の転職ということについて、お伝えしてきましたが、では、これまで転職を繰り返してきた人は、どうすればいいのでしょうか?

 

何をどうやっても厳しいというのが、正直なところですが、でも、やりようによっては、職場が見つかる可能性があります。そのやりかたについては、下記のページに詳しくまとめています。

 

興味がある人は、そちらを見て頂きたいのですが、概要だけ、触れておくと、こんな感じです。

 

  • 時期や地域の見極め(自分を高く売れる時期、場所を狙う)
  • スタッフ不足に悩んでいる会社を探す
  • これまでの自分の甘さを認めて、反省する姿勢を示す

 

まとめ:安易な転職はしない

薬剤師に限った話ではありませんが、転職回数の多さというのは、マイナスにしかならないので、安易な転職はNGです。それだけに、職場選びは慎重に行ってください。

 

そして、転職を繰り返してきてしまって、雇ってくれる会社が、見つからなくなってきた人は、条件などは気にせず、とにかく働ければ、どこでもいいぐらいの気持ちで、転職先を探してください。

 

業界的には、まだまだ薬剤師は足りていないので、待遇を気にしなければ、何らかの仕事は、必ず見つかります。(こんな状況が続くことは有り得ないので、今のうちに職を探しておくことです。)

 

そして、仕事が決まったら、全力で取り組むことです。同時に、管理職を目指す、専門知識を習得するなど、自分の武器になるような何かを身につけてください。

 

そうすれば、もっと良い条件の職場に転職出来る可能性がでてきますし、定年まで働き続けられるようにもなります。

 

でも、ここでの転職の失敗は命取りになるので、慎重に判断することです。この職場だったら、ずっと働き続けたいと思えるぐらい、魅力を感じられる会社を探すようにしましょう。