このページでは、マツモトキヨシから発生している薬剤師中途採用求人の傾向と、薬剤師の給与体系、就労環境などについてまとめていますが、今現在、『マツモトキヨシ』の名前が入っている会社は、5社存在します。
- マツモトキヨシ
- マツモトキヨシファーマシー
- マツモトキヨシ東日本販売
- マツモトキヨシ甲信越販売
- マツモトキヨシ中四国販売
- マツモトキヨシ九州販売
マツモトキヨシが、新全国各地の中堅薬局チェーンを買収したこと、及び、店舗数が増大したことなどで、経営効率が悪くなったため、グループ店舗網の最適化を目的として、会社組織を再編した結果、今の5社体制となっています。
同一グループであり、就労環境にはそれほど大きな変わりはないため、このページでは、一つの会社として捉えてお伝えしていきますが、待遇面においては、細部で違いが生じることがあるので、詳細については、求人の募集要項で必ず確認するようにしてください。
目次
マツモトキヨシの薬剤師募集状況
マツモトキヨシはグループ全体で、700以上の店舗を運営していることもあり、薬剤師を積極的に募集しています。中途採用の求人に関しても、常時200件前後の案件が発生しています。
調剤専門、OTC販売専門、調剤・OTC販売の兼務
職務内容は、この3つに分かれますが、給与は一緒です。ただし、勤務地によって、若干の給与差が生じています。
基本的には、東京、大阪といった大都市圏のほうが、地方よりも給与が高いのですが、たまに、地方の店舗でも、高額給与が設定されていることがあります。
恐らくですが、薬剤師が不足していて、急募しているためと思われます。そのため、仕事は忙しいかもしれませんが、お金は稼げます。
求人情報の入手方法
マツモトキヨシの公式サイト内に、中途採用情報ページが開設されており、そちらから、現在、募集がかかっている求人の詳細について、確認することができます。
https://matsukiyo-career.net/jobfind-pc/
また、マツモトキヨシは、転職エージェント経由でも、薬剤師を募集しており、エージェントから求人情報を教えてもらうことができます。
公式サイト、転職エージェント、どちらからでも、入手できる情報に変わりはありませんが、エージェントは、様々な薬局、ドラッグストアの求人情報を扱っているので、マツモトキヨシを含めた、複数の会社の求人を比較できるというメリットがあります。
(エージェントからは病院、一般企業の求人情報を教えてもらうこともできます。)
マツモトキヨシは、給与水準が高い会社ですが、状況によっては、他社がそれ以上の条件で、募集をかけていることがあります。
薬剤師は今でも売り手市場で、どの企業も採用に躍起になっているので、最初から1社に絞るのではなく、色々な会社をチェックしたほうがいいです。
かといって、膨大な数の求人を、自分で一つずつチェックするのは大変ですが、エージェントに希望条件を伝えて、その条件を満たす求人だけを抽出してもらえば、自分で探す手間が省けて便利なので、そういった意味でも、エージェントを利用することをオススメします。
中途採用で入社する時には、給与交渉が重要
中途採用でマツモトキヨシに入社する場合、これまでの薬剤師としての経歴・実績をベースに、初任給が算出されることになりますが、ここは、交渉次第という要素もあるので、マツモトキヨシから提示された金額に納得がいかない時には、そこで妥協せず、交渉することをオススメします。
もし、交渉を行う自信がないということであれば、転職エージェントに代行を依頼してください。彼らは転職のプロであり、この手の交渉経験を豊富に有しているので、マツモトキヨシの社内事情を考慮しながら、うまく話を進めてくれます。
何らかの条件アップに成功するケースが珍しくないので、交渉ベタな人が自分でどうにかしようとするよりも、全て任せてしまったほうが賢明です。
マツモトキヨシの中途採用求人を扱っている転職エージェント
マイナビ薬剤師
薬剤師の転職支援を専門とするエージェントのなかでも、利用者から最も高い評価を受けているエージェント。マツモトキヨシとのコネクションが強く、有効求人の全てを押さえているので、マツモトキヨシのことについて確認する時には、最も頼りになる存在です。
もちろん、マツモトキヨシ以外の求人情報も豊富で、調剤薬局、ドラッグストアから病院、一般企業まで、どんな種類の求人であっても、紹介してもらえます。
全国各地の案件を押さえているので、自分が希望する勤務エリアにおいて、最も条件の良い求人を教えてもらうといったことも可能です。
ファーマキャリア
保有求人数では、マイナビ薬剤師に一歩劣りますが、長年に渡り、女性薬剤師の転職支援に力を入れており、成功実績も豊富なので、女性の方には、マイナビ薬剤師同様、オススメできるエージェントです。
土日休み、家近、有休多めなど、細かい要望にも対応してくれます。また、『半年後に結婚を予定して、そのタイミングで引っ越すので、引っ越し先で仕事を探したい』といった、長期的な視点での相談にも乗ってくれます。
1年ぐらいのスパンであれば、サポートしてくれるので、何かあれば相談してみてください。
ファルマスタッフ
約20年にわたり、転職支援サービスを行っている老舗の転職エージェント。薬剤師を募集する全国各地の求人案件を6万件以上保有しており、これはマイナビ薬剤師に匹敵する数字です。
マツモトキヨシの求人に関しては、マイナビ薬剤師のほうが、保有数が上ですが、他社も視野に入れて、転職先を探すという時には、ファルマスタッフも押さえておきたいところです。
特に、ファルマスタッフは若手薬剤師の転職支援に力を入れているため、年齢や実務経験年数がネックになるかもと心配な方は、ファルマスタッフには一度相談しておくことをオススメします。
薬剤師の給与体制について
マツモトキヨシの給与体系ですが、正社員の薬剤師は年俸制となっています。基本年俸と業績年俸から構成されており、後者に関しては、賞与という位置付けで、会社の業績と本人の人事査定をベースに、支給額が決まります。
年俸を15分割したものが月給として支払われ、残りの3ヶ月分を6月・12月の賞与として、半分ずつ支給されるという仕組みです。
毎年7月に給与査定が行われ、このタイミングで、その年の年俸額が提示されますが、管理薬剤師に昇格しない限り、基本年俸が大幅に上がることはありません。
その代わり、マツモトキヨシは管理職を厚遇する会社なので、管理薬剤師、店長となると、30代のうちに年収1000万を超える給与を手にすることも可能です。
- 一般薬剤師 22歳 年収550万円
- 一般薬剤師 24歳 年収500万円
- 一般薬剤師 27歳 年収550万円
- 一般薬剤師 28歳 年収550万円
- 一般薬剤師 30歳 年収550万円
- 一般薬剤師 30歳 年収550万円
- 管理薬剤師 25歳 年収530万円
- 管理薬剤師 30歳 年収800万円
- 管理薬剤師 36歳 年収1000万円
- 管理薬剤師 41歳 年収950万円
- 管理薬剤師 62歳 年収550万円
- 店長 32歳 年収1100万円
- 店長 36歳 年収1150万円
残業代について
マツモトキヨシは、サービス残業が横行している会社でしたが、コンプライアンスの観点から、会社が勤務体制を見直した結果、今は1分単位で残業代が支払われるようになっています。
もし、サービス残業を強いられるようなことがあった時には、本部の相談窓口に言えば、すぐに対応してくれるので安心です。
なお、店長になると、1ヶ月あたり16時間以上になると、残業代が支払われるようになっています。16時間分は『なし』ということですが、そのかわり、店長手当が数万円支給されるので、差し引きで考えると、プラスです。
店長の残業規定については、たびたび変更されているので、面接の時に、規定について確認しておいたほうがいいです。
福利厚生について
マツモトキヨシは福利厚生が手厚い会社です。薬剤師に対しては、社会保険、共済保険、団体薬剤師賠償責任保険が完備されているほか、確定拠出年金制度、財形貯蓄制度、持株会があり、老後を見据えた資産形成をはかりやすくなっています。
また、ディズニーランドや提携ホテル、保養施設を格安で利用できる制度、マツモトキヨシの商品を割引で購入できる買い物割引制度も用意されています。
あとは、これは独身者のみですが、会社がアパート・マンションを借り上げて、社員に賃料1万円で提供する社宅制度があるので、住居費を安く抑えることができます。
家賃と光熱費込みで、月額2万円で入居できる社員寮もあります。
転勤者の待遇が手厚い
会社都合で転勤となった薬剤師に対しては、マツモトキヨシは会社負担で社宅を用意しています。自己負担がゼロのうえ、特別勤務手当が月額5万円を上限に支給されます。
転勤を受け入れる薬剤師のほうが、転勤不可としている薬剤師よりも、給与が高くなる傾向があるので、転勤を厭わないのであれば、そのことを会社に伝えておいたほうがいいです。
『転勤不可』の地域限定社員だと、本部社員への登用がないので、転勤の有無は、キャリアにも響いてきます。
パート・アルバイトの薬剤師の待遇について
マツモトキヨシでは、パート・アルバイトに違いはなく、一緒のくくりです。フルタイムで働かない人=パートという位置付けですが、店舗ごとに勤務条件が指定されています。
1日3時間以上、週2日以上といった条件が緩い店舗もあれば、1日6時間以上、週4日以上といった、条件が厳しい店舗もあります。
また、土日に出勤すること、週1日以上、20時までの夜間勤務ができることなど、細かい要件を指定している店舗もあるので、個々に確認するようにしてください。
時給は2000~2200円がスタート額となり、勤務査定に応じて、昇給することになります。評価が高い人に対しては、賞与が支給されることがありますが、上限が決められており、正社員の薬剤師よりは少なくなります。
パートの福利厚生については、社会保険、買い物割引制度が対象となります。(交通費は全額支給、白衣は貸与です。)
マツモトキヨシの人事評価制度
マツモトキヨシでは等級制度が導入されています。年2回の人事評価において、等級が決まり、そこに応じて、昇進や昇給の有無が判断されることになります。
マツモトキヨシの査定基準は、行動評価と店舗評価の二面評価となっています。行動評価は、本人の能力・成績をベースに査定されるものですが、下記のような人が、高い評価を得やすくなっています。
- 面談時にしっかりと、自分をアピールできる人
- 上からの指示を確実にこなせる人
- 推奨品販売など、会社が指定してノルマにおいて、結果を出した人
店舗評価は、所属先店舗の売上がベースとなりますが、立地条件などで、売上を伸ばしやすい店舗と、そうでない店舗に分かれるので、ここは不公平さが生じるものとなっています。(実際、大型店舗で働いている薬剤師のほうが、高評価を受ける傾向があります。)
ここはマイナスですが、ただし、比重としては、行動評価のほうが、より重要視されているので、自分の頑張りしだいで、カバーできる要素は強いです。
マツモトキヨシは、実力主義の会社で、高い人事評価を得た人間を、昇進させていくので、年齢に関係なく、上のポジションを目指すことができます。
ちなみに、店長になるには、昇格試験を受けて合格する必要があり、人事評価の時に、受験資格があるかどうかが判断されます。
薬剤師の社内教育体制
マツモトキヨシは社員教育に力を入れており、薬剤師に対しても、本人のスキルに応じて、適切な研修が受けられるようになっています。
ドラッグストアから始まった会社ということもあり、以前は、調剤部門の教育が弱かったのですが、利益が出ている店舗が多いこともあって、近年、かなり充実してきています。
半年に一度、人事評価を兼ねた上司との面談時に、自分が将来目指すキャリアプランを決めますが、そのプランに沿って、研修を受けることになるので、無駄がありません。
メーカーが主催する商品知識に関する勉強会、ビジネスマナーなどの汎用的なスキルを学べる勉強会も定期的に開催されていて、自由に参加できますし、マネジメント職に就けば、経営知識の習得を目指した研修を受講する機会も得られます。
マツモトキヨシには、経験豊富な薬剤師が多数働いていて、そういった人達から、色々なことを教えてもらえるので、スキルアップしやすいですし、OJTの仕組みがしっかりしているので、スキル・経験が浅い人でも安心です。
希望すれば、薬剤師でも、店舗運営に積極的に関与できるので、『処方せん調剤』という幅を超えて、様々な経験を積むこともできます。
総合的に見て、マツモトキヨシはスキルアップがしやすい会社なので、自己成長の意欲が高い人にはオススメです。
これらの社内研修は、正社員のみが受けることができます。稀に、アルバイトでも研修に参加できることもあるが、基本的には、商品知識などを勉強するための冊子が配られる程度となっているので、スキルアップの機会とは無縁です。
ワークライフバランスについて
薬剤師は、1日8時間、週40時間以内の変形労働時間制となっており、その都度、シフトを組んで働くことになります。
店舗の営業時間や、混み具合などを加味して、勤務時間が決められるため、無駄がなく、定時に帰れる日が多くなっています。
公休日は1ヶ月9~10日間となっており、そのうちの3日間は、自分で指定することが可能です。
休日出勤はほぼゼロですし、有休も取りやすいです。(事前に申請すれば、まとめて取得することも可能です。)
有休以外にも、7日間のリフレッシュ休暇、結婚日などの記念日に休める『アニバーサリー休暇』が設けられているなど、マツモトキヨシの休暇制度は充実しています。
残業が少ない、休みが多いということで、マツモトキヨシのワークライフバランスは良好と言えますが、店長になると、業務量が増えるため、残業を強いられるケースが多くなるようです。
また、一部には、人手の足りない店舗があり、そういった職場に配属されると、一人当たりの業務量が膨大なため、必然的に残業時間が多くなるので、このあたりは注意してください。
有休はパートの薬剤師も使えますが、入社する時に説明されておらず、辞めるまで知らなかったという人もいるようなので、注意してください。
転勤にも要注意
ワークライフバランスを考慮するうえでは、転勤が重要なポイントとなります。多い時には、年に数回、転勤を伴う異動が発生することがありますが、それに伴い、生活環境が変わると、ライフスタイルが変わってしまう可能性があります。
また、勤務先については、入社時に、会社側としっかりと話し合ったうえで、書面に残しておかないと、希望しない場所へと配属されることがあるので、気をつけてください。
女性の働きやすさについて
女性からすると、体力的に厳しい職場が、一部には存在しますが、そこを抜かせば、マツモトキヨシは働きやすい会社と考えて間違いありません。
女性も男性も関係なく、同じ立場で働くことになりますし、昇進・昇給の機会も平等です。ここ数年は、会社として、女性の管理職登用に力を入れているので、キャリアアップにおいては、女性のほうが優遇されているぐらいです。
ハラスメントの相談窓口が設置されているので、何かあったら、すぐに会社からフォローしてもらえるのも大きいです。
育児支援体制も万全で、産休・育休が取りやすいですし、復帰後には、子供が小学校を卒業するまで時短勤務で働くことができます。(産休は産前6週、産後8週、育休は最大2年)
子育て中は、日曜、祝日を公休にしてもらえるので、保育園や学校などが休みでも、問題がないですし、平日であっても、子どもの行事がある時には、必ず休めます。
マツモトキヨシの転職としての価値
ここまで、マツモトキヨシにおける薬剤師の給与体系、就労環境について見てきましたが、大手だけあって、待遇は業界トップクラスですし、それでいて、ワークライフバランスも良好なので、転職先としての魅力は十分です。
以前はOTC販売が主軸だったので、マツモトキヨシで働くと、薬剤師としてはキャリア的にどうかという不安要素がありましたが、今では調剤業務にも従事できますし、研修体制が充実しているので、他社よりもスキルを伸ばしやすいぐらいです。
コンプライアンスもしっかりしており、安心して働けるので、オススメできます。あとは、好みの問題となりますが、慌てて決める必要もないので、他社の求人とも見比べながら、じっくりと考えてみてください。
(マツモトキヨシ以上の好条件で、採用してもらえる会社がみつかる可能性も十分にあります。)
改めて、下記に薬剤師の転職支援を専門的に行っている転職エージェントをリストアップしておきますので、あなたが希望する勤務エリアにおいて、どんな求人がでているのか、問い合わせてみるといいです。