1年未満の転職

 

短期間で転職する人は評価がマイナスになるという話がありますが、これは薬剤師の転職市場でも一緒です。人手不足で売り手市場ではありますが、雇う側からすれば、簡単に辞めてしまう人は採用しづらいものです。

 

よほどの理由がない限り、一度働き始めた職場には正社員であれば3年以上、パートやアルバイトでも1年以上は勤め続けたいものです。

 

『理屈では分かっているけど、どうしても辞めたい』

 

そんな人もいるかもしれませんが、その場合でも、安易に決断するのではなく、転職に成功する確率を吟味したうえで決めるべきです。

 

働き始めてから短期間での転職を考えている人に、必ずチェックして頂きたいことをまとめてみました。

 

採用者が納得するだけの理由があるかどうか

どうしても辞めざるを得ない理由があっての退職であれば、問題ありません。

 

パワハラやセクハラにあったとか、不正を強制させられたといったような、客観的にみて『これでは辞めるのも当然だよね』と思えるような理由があれば、すぐに辞めたという事実もマイナスにはなりません。

 

ただし、ここで注意すべきことは、本人にとっては正当な理由と思っていることでも、他人からみれば、単なる甘えに過ぎないというケースがあるということです。

 

たとえば、独身の正社員が1日2時間の残業に嫌気がさして『残業が多いから』といった理由だと、『これぐらいは普通でしょ』と言われる可能性が大です。

 

一方、これが子育てをしている女性で、育児と両立するために、どうしても勤務時間を減らさざるを得ないといった背景があれば、1日2時間の残業でも十分過ぎる理由になります。

 

このように、その人のおかれた状況によっても違うのですが、客観的にみてどうなのかというのは、本人にはなかなか分かりづらいものです。

 

そこで、オススメなのが転職エージェントの意見を聞いてみること。彼らは転職のプロですし、業界のことも知り尽くしているので、あなたが抱えている理由が妥当なものなのかどうか、適切に判断することが出来ます

 

そもそも、甘えた理由であれば、転職先を紹介してくれません。転職の相談は無料で出来るのですから、どこかの転職サイトに登録して、話を聞いてみることをオススメします。

 

本当に改善の余地がないのか

転職しようと思っている原因が本当に解決不可能なのか、考えてみてください。

 

たとえば、職場の人間関係で悩んでいるのであれば、上司に相談するなどして関係を改善出来る余地はないのか、本当に可能性がゼロとして、近くの職場に転勤するといった次善の対処策はないのかといったことです。

 

あるいは、仕事が忙しいということであれば、周囲にフォローしてもらったり、業務内容を変更してもらうことで対応できないのか、もっと単純に自分の努力でカバー出来ることはないのかといったことです。

 

転職することを考えているぐらいの人だと、『対処策など何もない』と考えがちですが、ここで一歩引いて冷静に考えてみることが大切です。

 

前向きに捉えことが出来る可能性はないのか

すごく激務だけど、実はそれは自分自身を磨くチャンスであるというふうに、見方を変えることで、不満がやる気の元に変わることはよくあります。

 

こういった考え方を、ごまかしと思える人もいるかもしれませんが、そういった人ほど、一度真剣に考えてみるべきです。

 

仕事というのは、誰もが不満や辛さを抱えながら取り組んでいるものなので、単純に不満があるというだけでは正当な理由とは見てもらえません。こんな理由で退職したとしたら、ワガママな人間と思われて終わりです。

 

無理にガマンする必要はないのですが、本人が抱えている不満の大半は、周りからみれば『そんなの当然』と思われるようなものだったりするのが現実です。

 

本当に自分が抱えている理由が、転職という行動に値するほど重要なことなのかどうか、自分と向き合って考えてみてください。

 

満足出来る転職先がみつかる可能性はあるのか

仮に辞めると決意した場合、転職することで自分が満足出来るかどうか、冷静に考えてください。

 

一番多いのが、収入が少ないことを理由に仕事を辞めたけど、いざ転職活動をはじめたら、もっと悪い条件の求人しかなくて、逆に収入が減ってしまったといったケースです。

 

こんなはずではなかったということがないように、今の自分がどんな条件で転職出来そうなのか、辞めるまえに必ず確認するようにしてください。

 

ガマンすることで、転職条件が良くなる可能性があるかどうか

これは今すぐ転職するよりも、ちょっと待ったほうがより良い条件で転職出来る可能性が高くなる可能性がないのか、考えてみようという話です。

 

たとえば、新卒で今が働き始めて10ヶ月目という場合、あと2ヶ月すれば実務経験1年で、経験者として転職することが出来ます。一方、10ヶ月で辞めてしまうと未経験者とみなされるので、転職活動の幅が狭まります。

 

この場合、あと2ヶ月はガマンしたほうが賢明です。

 

もう一つの視点として、業務が忙しくなりがちな冬の時期は転職時期を避けるとか、エリアによっては、春先に求人数が増えて、条件が良くなるので、そこまで待つといったこともあります。

 

自分一人で考えない

 

ここであげたことは、本人が冷静に判断するのは難しいことばかりです。ですから、第三者に意見を聴くというのが重要です。前述したように、転職エージェントに相談してもいいですし、友人や先輩の薬剤師にアドバイスをもらうのもオススメです。

 

誰もいなければ、家族でもいいと思います。いずれにしても、転職という大きな決断を自分一人では決めないことです。

 

これが何年も働き続けてきて、自分のキャリアを考えたうえでのステップアップとしての決断であれば、まず間違いはありませんが、1年未満での転職となると、本人の考え方に問題がある可能性も否定出来ません。

 

安易な判断は後悔のもとです。十分に注意してください。