本気で年収1000万を目指す薬剤師のための転職戦略

 

薬剤師というのは、高収入を狙える仕事ですが、それでも、年収1000万というのは、そう簡単な数字ではありません。結論からいえば、薬剤師であっても、1000万というのは、相当厳しいです。

 

普通に働くだけでは、どれだけ実績を積んでも、不可能と考えてください。ただし、この『普通』という言葉がポイントであり、やり方を工夫すれば、1000万円以上の年収を取ることは、できます。(現実として、年収1000万を達成している人は、薬剤師にもいます。)

 

でも、繰り返しになりますが、簡単ではありません。ネットで検索すると、●●すれば、年収を1000万にすることができるといった話が出てきますが、その大半は、『そのやりかたでは無理だよ』というものばかりです。

 

では、本気で年収1000万円を目指す時には、どうすればいいのか?

 

このページでは、具体的な方法論について、まとめていますので、参考にしてください。

 

これでは無理!巷でよく言われる収入アップのテクニックの限界

先ほども触れましたが、一般的に、『こうすれば収入を上げられる』という話の大半は、それでは年収1000万は目指せないというものばかりです。その代表的は、下記のような話です。

 

人手不足の地域を狙う

娯楽施設もなく、コンビニやスーパーすら見当たらないような、過疎化した地域にも、薬局は存在するので、薬剤師を募集する求人がありますが、こういった地域というのは、勤務地としては不人気エリアであり、転職を希望する薬剤師は、かなり少ないです。

 

そのため、雇う側としては、何とか呼び込むために、好待遇・高収入を提示する傾向にあり、未経験者応募可で、年収800万といったような信じられない条件の求人が見つかることがあります。

 

でも、どれだけ好条件でも年収が1000万に到達することは、まずないです。

 

転職会社が公表しているデータでは、都心では平均15.8%、僻地(高知や島根)になると35.8%という割合で、年収650万円以上の求人が存在します。

 

この数値を見ても、実は東京よりも僻地のほうが、薬剤師は高い収入を得られることが分かりますが、それでも、年収1000万円以上を超える求人は皆無です。

 

以前、離島で、社宅付きで年収900万円といった求人が出たことがありますが、過去最高額と言っていいと思います。

 

管理薬剤師、店長を目指す

管理薬剤師、店長になると収入が上がるという話がありますが、たしかに、マネジメントができる薬剤師というのは、どの店舗も欲しがっているので、管理能力がある人だと、そのスキルを活かして年収交渉を行えば、給与の増額に成功しやすいです。

 

しかしながら、管理職手当などを加算しても、通常の薬剤師の年収と比較して、100万円程度しか上がらないので、年収1000万円には程遠いのが現状です。(管理薬剤師の年収相場は、700万~800万といったところです。)

 

マネジメントというのは、一部の人にしかできない、ある意味、特殊能力なので、それに見合うだけの収入を得られますが、それでも1000万円という数字は、現実的ではないです。

 

本気で年収1000万を目指す薬剤師のための転職戦略

 

資格をとる

『資格を取る=年収アップ』と考えるのは日本人の特性で、薬剤師にも、こういった考え方を持つ人が多いのですが、これは違います。

 

薬剤師の場合、「専門薬剤師」や「認定薬剤師」といったものとなり、資格を持つ側からすると、給与交渉の材料になると考えがちですが、企業側からすると、「経理の人が簿記の資格を持っている」といった程度の感覚でしかありません。

 

そのため、資格はスキルとしては、認められないことが殆どであり、年収1000万どころか、1円もアップしないこともあります

 

がんセンターが、がん専門薬剤師を優遇するなど、特定の分野に力を入れている会社だと、その分野に関連する資格を持つ薬剤師に、特別手当を支給することがありますが、これも月額1~2万円ぐらいなので、年収1000万という目的を達成することには、つながりません。

 

薬剤師が年収1000万円を達成するための具体的な方法

では、薬剤師が年収を1000万にするには、どうすればいいのでしょうか。かなりハードルが高いことではありますが、実現できる可能性があるやりかたが、幾つかありますので、ご紹介します。

 

課長以上の役職に就く

まず一つ目の方法として、大手ドラッグストアや調剤薬局チェーンで役職に就くことです。本部の運営に関わるポジションで、課長、部長待遇になることで、給与が年収1000万円に届くことがあります。

 

ただし、そのためには、薬剤師としての経験、知識だけではダメで、薬局を経営して、売上を改善できるような能力、事業を運営する能力、そして、多数の部下をマネジメントする能力などが必要です。

 

そのため、このポジションにまで辿り着くには、様々な仕事に従事して、幅広い経験を積む必要があり、現実的には、40代後半~50代になってしまうと思います。

 

  • 管理薬剤師→店長→エリアマネージャー→本社における部門長

 

恐らく、こういったキャリアパスを取ることになります。

 

なお、この話は、あくまでも大手に限った話です。中小チェーンだと、部長クラスに昇進したとしても、年収が1000万に届くどうかは、微妙なところです。

製薬会社のMRになる

今現在、現役で薬剤師として働いている人が、年収1000万円を獲得するうえで、最短コースと言えるのが、製薬会社のMRへの転職です。

 

どの製薬会社でも、通年で募集をかけており、転職のチャンスは豊富です。MRは、成果報酬がベースとなるので、売上を伸ばせば、年収1000万を超えます。

 

特に、外資はMRに還元する報酬比率が高いので、1000万円どころか、1500万、2000万といった年収を取る人もいます。

 

ただし、全ては自分の実力次第ですし、朝から晩まで働くことになるので、仕事はキツイです。また、1000万以上の年収を取るレベルに到達するには、何年も努力する必要があるので、本気でMRを目指すのであれば、なるべく若いうちに、転職したほうがいいです。

 

若いほうが、体力もあって、激務に対応できるという事情もあります。製薬会社のほうも分かっているので、MR未経験者を採用する時には、30代後半ぐらいを上限にしているので、この年代にさしかかっている人は、早急に決断することです。

 

ラウンダーになる

ラウンダーというも、MRと同じように、売上に応じた成果報酬が支払われるので、実績次第では、年収1000万を達成することができます。

 

また、ラウンダーはMRと比べると、基本給が高く設定されており、薬剤師が転職した時には、年収600~700万円ぐらいで、スタートできます。これは、本人の売上とは関係がないベース給なので、収入の安定性という意味では、MRより上です。

 

そのかわり、ラウンダーが受け取る成果報酬は、売上に対する比率としては低いので、どれだけ実績をあげても、MRのように1500万といったような数字は無理です。

 

安定性を取るか、可能性を取るかといったところでしょうか。

 

ダブルワークで働く

年収1000万円を目指す方法の一つとして、ダブルワークで働くという方法もあります。平日は契約社員や正社員として働きながら、休日には、時給の高いバイトをするというやりかたです。

 

要は働く時間を増やすということですが、時給4000円のバイトに、フルに入れば、2日間で6万円になるので、4週間で25万円です。正月やお盆などであれば、さらに時給が上がるので、こういったことも加味すれば、年収1000万円というのは現実的な数字です。

 

ただし、体力的に相当キツイので、無理のし過ぎは禁物です。体を壊さない範囲で、取り組むようにしてください。

 

本気で年収1000万を目指す薬剤師のための転職戦略

 

独立して、自分で薬局を運営する

盲点とも言える方法が、独立して自分で薬局を運営するという方法です。一人の薬剤師が、1日に応需する処方箋の枚数は、40枚が妥当なところと言われていますが、現実には、それ以上の枚数をこなすことになる職場は多いです。

もし、1日50枚程度の処方箋を、一人で受けた場合、年収1000万円は超えるので、それだったら、独立してしまおうというのが、この発想の趣旨です。

 

ただし、薬局を開設しなければいけないので、初期費用がかかる、毎日一人で応需するのは厳しいということで、人を雇うことになれば、そこで経費が発生するなど、実際には、もっと多くの売上をあげないと、ペイしません。

 

(自分の年収を1000万にしようと思ったら、2000万円ぐらいの売上は必要です。)

 

1店舗だと、この数字を達成することが難しく、数店舗を経営するという状況になるかもしれません。こう考えると、やはり独立開業というのは、大変なことですが、収入という見返りを考えても、チャレンジする価値はあります。

 

年収1000万を目指すための、行動指針

年収1000万円を達成する手段というのは、幾つかありますが、本気で目指して行動する時には、下記の2つのことを徹底するようにしてください。

 

今の仕事は絶対に辞めない

基本中の基本は、今の仕事を絶対にやめないことです。年収1000万円の壁は厚いので、そこの壁を乗り切るためには、入念な準備が必要になるので、その準備が整うまでは、今の仕事を続けることです。

 

特に、転職を目指すのであれば、無職というのは決定的に不利です。どの会社も、現役の人を、より高く評価する傾向があるからです。転職先が決まるまでには、今の仕事を続けるというのは、絶対的な指針です。

 

もし、あなたが、今現在、仕事をしていないのであれば、とにかく何らかの職に就いて、現役というステータスを得ることを、第一目標としてください。年収1000万を目指すのは、そこからです。

 

求人情報を徹底的に調べる

次に必要なことは、リサーチです。徹底的に、求人情報を調べ上げてください。その時には、当然、待遇面をチェックすることになりますが、ダブルワークを目指すのであれば、勤務形態や残業・休日出勤の有無についても、調べておく必要があります。

 

仕事を掛け持ち出来るだけの余裕があるかどうかを確認するということですね。また、会社によっては、副業を禁止しているところもあるので、その点もチェックしてください。

 

年収1000万を達成するための、具体的な行動

ここからは、年収1000万円を達成するための、モデル例を幾つかご紹介します。

 

 地元の調剤薬局→大手

薬局勤めで年収1000万円を目指すのであれば、何はさておき、大手に入る必要があるので、今現在、働いている職場が小さな薬局であれば、まずは大手への転職を目指してください。

 

薬剤師の転職支援を手掛ける転職会社にコンタクトして、大手の求人を紹介してもらうのが、最も手っ取り早いです。

 

年収1000万円を目指していることを伝えて、その可能性がある会社だけを紹介してもらうようにするとベストですね。

 

もし、連絡を取った時に、紹介してもらえる求人がない時には、新しい求人が出たら、教えてもらえるようにお願いして、後は待ちましょう。

 

<薬剤師の転職支援を専門とする転職会社>

 

製薬会社への転職

MRを目指すのであれば、製薬会社へ転職することになります。一時的には、給与が下がるかもしれませんが、その後の伸びが期待できるので、入社時の収入については、気にしないことです。

 

ただし、ここも薬局と一緒で、大手でないと給与が低いので、大手狙い一本です。

 

第一三共株式会社、大塚HD、アステラス製薬、エーザイ、武田薬品

 

このあたりの会社であれば、薬剤師の資格を持った人材を、大量に採用しますし、給与も良いので、年収1000万円を超えるチャンスは、十分にあります。

 

内定を貰うためには、面接対策がとても重要になりますが、企業ごとに押さえておくべきポイントが違ってきます。先ほど触れた転職会社であれば、このあたりの情報も押さえているので、サポートを受けるといいです。

 

本気で年収1000万を目指す薬剤師のための転職戦略

 

週休二日の正社員+高給バイト

調剤薬局やドラッグストアで、年収1000万という仕事を探すのは不可能ですが、年収800万円ぐらいであれば、求人が見つかるので、まずは、こういった会社へ転職してください。

 

そのうえで、休日は、他店でアルバイトをすることになります。年収1000万を目指すのであれば、時給4000円以上は欲しいところです。

 

深夜まで営業しているドラッグストアであれば、夜勤スタッフに対して、これぐらいの時給を支給するところが少なくないので、こういったところが狙い目です。

 

夜が苦手な人だと、体力的に厳しいかもしれませんが、人の出入りが少ないので、仕事自体は楽です。でも、睡眠不足には注意してください。

開業支援を行なっている会社へ転職

中小企業レベルの調剤薬局では、薬剤師の独立支援をサポートしている会社が多くあります。独立支援制度という、開業までをサポートしてくれるシステムがあり、その制度を利用して、独立する薬剤師が数多くいます。

 

こういった会社は、独立のノウハウを持っているので安心ですし、働きながら、独立の準備を無理なく進めることができるので、とてもスムーズです。

 

そして、何よりも大きいのは、この支援制度を使いながら独立した先輩の話を聞けるということです。独立というのは、経験者でなければ分からないことが多々あるので、実際に開業している人達の生の声を聞けるというのは、極めて貴重なことです。

 

普通に働いているなかで、独立している人と出会える機会というのは、そうはないので、非常に大きいです。

 

開業セミナーに参加して、情報を集める

自分が住んでいる地域に、独立支援を行っているような薬局がない場合には、自分で開業するために必要なノウハウ、情報を集めることになります。

 

ネットで検索すると、色々なセミナーが見つかるので、こういったところに積極的に足を運んで、情報収集を行ってください。

 

また、こういったセミナーには、同じように、独立を考えている人が参加しているので、人脈を作る場としても活用できます。

 

なお、セミナーには、無料セミナーと有料セミナーの2種類があります。無料セミナーでも勉強にはなるのですが、有料セミナーのほうが、当然、充実した内容になっていますし、参加者の意識も高いので、こちらのほうが情報源としての価値は上です。

 

お金がかかるので、そこは痛いところですが、必要経費と考えて、参加するようにしてください。出費を避けるために無料セミナーだけを選ぶというのはNGです。

 

※補足
無料、有料にかかわらず、セミナーに参加すると、より高額なサービスを紹介されることがあります。よくあるのは、独立支援のコンサルティング(アドバイスを受けられるサービス)ですが、かなり高額なので、安易に契約しないようにしてください。

 

こういったサービスは役立ちますが、独立開業というのは、最終的には全て自分次第なので、自分で考えて決めるということでも、問題なしです。むしろ、こうやって自分で試行錯誤を重ねた人のほうが、結果的にうまくいきます。

 

まとめ

ここまで、年収1000万円を目指す薬剤師が取るべき戦略について、お伝えしてきましたが、いかがだったでしょうか。

 

色々な方法がありますが、いずれのやりかたを取るにしても、すぐうまくいくものではないので、長期的な視点で考えることが大切です。

 

どの道で1000万円を目指すのか、その方向を定めたら、細かくリサーチを進めて、後は、冷静にタイミングを待つことです。

 

1000万円を超える収入を手にするのは、簡単なことではなく、そのためには、努力するのは当然のこととして、巡り合わせなども必要となってくるので、焦らず、じっくりと取り組んでください。