薬剤師の転職活動

 

薬剤師は売り手市場にも関わらず、転職活動に失敗する人が少なくないのが実情です。特に20代の若い薬剤師において、転職して間もない時期に『聞いていた話と違う』ということで、再転職を考える人が増えています。

 

こういった失敗をしないために、転職活動時に注意すべきことをまとめてみます。

 

目次

1:勤務先、転職会社のスタッフと直接会う

転職する時に人材紹介会社を使う人が多いと思いますが、紹介会社も千差万別です。転職希望者の立場にたって親身にフォローしてくれるところもあれば、とにかく就職させてしまえばいいとおざなりに進めてしまうところもあります。

 

なかには、求職者と直接面談することなく、メールや電話の連絡だけで、話を進めてしまう紹介会社もありますが、こういった会社で転職先を決めてしまうと、『話が違う』という結果になりやすいので、避けておきましょう。

 

当たり前ですが、転職会社のスタッフとは直接会って話をすべきですし、これは勤務先についても同様です。候補先の薬局や病院に直接、足を運んで面接することで、相手側の状況も観察することが出来ます。

 

面接というのは、企業側が求職者をチェックするものと思われがちですが、同時に求職者が転職先の企業をチェックする場とも言えます。自分の希望に合っている会社かどうか、必ず自分の目で確認するようにしてください。

 

2:条件について、キチンと確認しておく

給与、勤務時間、残業時間、休日の取り方など、自分が譲れない条件については、必ず確認するようにしてください。ここで注意すべきことは、人材紹介会社やハローワークの担当者から話を聞くだけで満足しないということです。

 

自分で転職先の面接者に直接聞くことが重要です。その時に、『話がうますぎるな』と感じることがあったら、なぜその条件なのか、本当にその条件で大丈夫なのか、裏づけについても確認するようにしてください。

 

こんなことしたら、相手の心証を悪くしてしまわないかと不安に思われるかもしれませんが、逆です。これはそれだけ真剣に働き先を考えている証拠ですから、雇用する側からしても安心です。

 

何よりも、条件を確認するのは転職時には当たり前のことであり、それを嫌がるというのは、その時点で問題がある会社と思って間違いありません。どれだけ条件が良かったとしても、そういった会社は避けておきましょう。

 

3:複数の候補を比較検証する

薬剤師の求人案件というのは、会社によって条件が大きく違うことが少なくありません。同じような勤務内容なのに、A社では年収400万円、B社では年収700万円といったことはよくあります。

 

病気で急に薬剤師が辞めてしまって、今すぐ追加の人材を必要としているといった緊急性が高い状況だと、企業側も良い条件を提示しがちです。これは応募する側からすればオイシイ案件と言えます。

 

自分にとって少しでも有利な案件をみつけるためにも、必ず複数の求人案件を比較検討するようにしてください。一つの案件だけで決めてしまうと、相場以下の条件の職場を選んでしまいかねないので、要注意です。

 

4:自分の希望を明確にしておく(優先順位をつける)

納得する転職をするには、自分が何を求めているのか明確にしておくことです。恐らく、給与や勤務時間、残業の有無など、複数の希望が出てくると思いますが、その場合には、何が譲れて、何が譲れないのか、譲れるとして、どこまでだったら納得出来るのかなど、一つ一つの希望について、条件を明確化しておきましょう。

 

このあたりをハッキリさせず、曖昧なまま転職先を選んでしまうと、働き始めた後に『自分の希望と違う』と不満を抱いてしまうものです。

 

5:現在の勤務先で状況が改善しないか交渉してみる

今の職場に不満がある時、改善の余地があるのであれば、一度交渉してみるのもアリです。職場を変えるというのは何かと大変です。今の職場で働き続けられるのであれば、それに越したことはありません

 

給与、勤務シフトといった条件面だけの話であれば、交渉すれば応じてくれる可能性は十分にあります。ただし、『薬剤師として違う経験をしてみたい』、『キャリアアップをしたい』といったことが理由だと、今の職場で状況を変えるのは難しいので、やはり転職先を探すことにはなってきます。

 

6:転職理由が妥当なものか注意する

幾ら売り手市場とはいえ、あまりにも身勝手な理由で転職する自分本位の人は、どこからも採用されません。特に注意すべき短期間での転職を繰り返している人です。[

 

こういった人は、採用する側も敬遠します。キチンとした理由があるのであれば、面接の時にしっかりと説明出来るようにしてください。そうしないと落とされる可能性が大です。

 

もし、冷静に考えて、転職の理由に妥当性がないと感じられるのであれば、今の職場でもう少し頑張ってみましょう。

 

7:転職活動エリアの状況を確認する

薬剤師の労働条件というのは、地域によって状況が大きく変わってきますので、転職する時には、自分が勤務を希望するエリアの標準給与額などを調べておきましょう。求人広告の募集要項をみたり、転職コンサルタントに話を聞けば、すぐに分かります。

 

補足)常日頃から、自分を磨いている人は好条件で転職出来る

 

薬剤師業界が人手不足といっても、やはり仕事が出来る人に人気が集中するのが事実です。医療という極めてセンシティブな仕事であるだけに、意欲が中途半端な人、責任感が無い人、能力がない人は敬遠されます。

 

逆にいえば、常に自分のスキルを磨いて、薬剤師としての能力を高めている人は、好条件で仕事を選ぶことが出来ます。結局は常日頃の努力がモノを言います。

 

当たり前のつまらない話に聞こえるかもしれませんが、これが現実です。薬剤師として末永く働き続けるつもりであれば、自分を磨く努力を怠らないようにしましょう。