CRC

 

医療機関が実施している臨床試験において、製薬メーカーや医療機器メーカー側の立場として働くCRAに対して、治験が行われる病院やクリニックなどの医療機関施設側で働くのがCRCです。

 

CRAが決めた治験計画に従って、病院やクリニックなどの医療機関施設で行われる治験を円滑に進めていくのが主な役割となります。

 

製薬会社が新薬開発のペースをあげているため、臨床試験の数も増え、CRCの求人も増えています。未経験者可の求人も少なくありません。ただし、35~40歳を上限とみているSMOが多いので、CRAとして働きたいのであれば、40歳までに職に就く必要があります。

 

CRCの収入は?

 

未経験の場合、初年度の収入は、月収20~25万円+残業代、賞与が2~4カ月程度、年収280万~400万円というのが代表的なパターンです。給料の昇給ペースは年間5000~10000円くらいになるのが標準です。

 

日本SMO協会が認定している『公認CRC』になると、月2~3万円の資格手当がつくケースが多いようです。(協会が定める研修を受けて、修了後2年の実務経験を積むことで認定されます。)

 

CRCに求められるスキル

 

医学的知識、薬学的知識、GDPに関する知識に精通していることはもちろんですが、それにプラスして、被験者、実施医療機関のスタッフ、治験依頼者の製薬企業と的確に意思疎通を図ることが出来る高いコミュニケーション能力が必要になります。

 

特に、CRCの場合、専門知識を持たない被験者をサポートすることになります。治験は研究としての側面があるので、通常の診療では行わない検査などを行います。

 

そのため、被験者はボランティアとして協力しているにも関わらず、大きな負担を強いられることになります。また、服用している薬(治験薬)が本当に有効なのか、副作用がでないかといった不安も抱えています。

 

CRCは被験者に納得してもらえるように、わかりやすい言葉で治験内容を説明することが求められます。また、被験者の精神面のフォローもして、ストレスを和らげることも出来なければいけません。

 

一言でいえば、インフォームドコンセントですが、これは理屈だけで済むことではありません。被験者の心情を理解する能力、感情に共感する能力が必要です。これは極めて高度なコミュニケーション能力であり、知識だけではどうにもならないことです。

 

高い人間力がないと務まらないのが、CRCという職業です。

 

意思疎通がうまくいかないと、治験の進捗ペースが遅くなります。いち早く新薬や新たな医療機器を市場へ出すために、製薬会社は治験の進み具合に目を光らせているため、スムーズに治験を進められる治験コーディネーターは高く評価されます。

 

子育てとの両立は可能?

 

CRCは子育てとの両立がしやすい仕事と言えます。大手SMOでは、育休制度、時短勤務制度を整えているところが多く、それが理由でCRCとして働いている人が少なくありません。

 

土日祝日休み、夜勤なしというのが基本なので、こういった点からも子育て向きと言えます。女性が多い職場でもあるので、周囲からの理解も得られやすいというメリットもあります。