1901年、米国聖公会の宣教医師として、日本に派遣されたルドルフ・トイスラー医師によって、築地に開設された診療所を発祥とする、聖路加国際病院。東京大空襲で倒壊したものの、戦後、再建を果たし、日本屈指の総合病院として、国内外にその名が知られています。
現在、日本で普通に使われている『生活習慣病』という言葉は、同病院名誉教授である日野原重明氏が日本で初めて作った言葉です。
予防医学や終末期医療の普及に尽力を注いだ日野原氏は、民間病院としては初めて、人間ドックを開設、定期健康診断による早期発見、早期予防の医療を定着させた人物でもあります。
その聖路加国際病院ですが、診療科は33科目にも及び、1日平均外来患者数は2700人にもなります。
病床数は520となりますが、感染予防・プライバシー保護を目的として、全て個室となっているのも、特徴の1つで、訪れた患者からは、病院内の設備が整っていることや、清潔感、病院スタッフの対応に対して、好感の声が寄せられています。
このページでは、聖路加国際病院における薬剤師求人の傾向、求人情報の入手方法、および、薬剤師の年収・就労環境について、まとめていますので、参考にしてください。
目次
聖路加国際病院における薬剤師の求人傾向
聖路加国際病院は、タイミングにもよりますが、常勤・非常勤の2形態に分かれる形で、薬剤師を募集しており、病院の公式サイトにおいて、募集要項を確認することが出来ます。
http://hospital.luke.ac.jp/positions/pharmacist/pdf/20171219_yakuzaishi.pdf
応募条件に関しては、薬剤師免許があれば、経験不問とされていますが、当然、経験者のほうが有利ですし、経験・能力により、給与額が決まるので、条件面でも未経験者よりも上です。
なお、公式サイト内においては、記載されているのは、応募条件や応募方法に関する説明のみとなっており、給与額や就労条件、福利厚生面などについては、記載がありません。
そのため、条件面の詳細について確認したい時には、直接病院側に問い合わせるようにしてください。
ちなみに、聖路加国際病院は、転職会社経由でも、薬剤師を募集することが多いので、そちらに問い合わせることでも、求人情報を入手することが出来ます。
公式サイト、転職会社、どちらでも入手出来る情報に変わりはありませんが、転職会社の場合、様々な病院、薬局、ドラッグストアからの求人情報を保有していますので、聖路加国際病院以外の求人のことについても、知りたいという時には、まとめて教えてもらえるので便利です。
このページの最後に、薬剤師の転職支援を専門とする、代表的な転職会社をリストアップしておきますので、参考にしてください。
薬剤師の給与体制について
聖路加国際病院の給与体系ですが、常勤であれば、基本給に手当・賞与が支給されるといった、ごく一般的なものとなります。(非常勤だと、賞与はなしです。)
モデル年収例などは公開されておらず、その都度、本人の実績を踏まえて、算出されることになりますが、ここは病院側との交渉次第ともなるので、提示された金額に納得がいかない場合は、希望額を伝えて、話し合うことをオススメします。
転職後は、そう簡単に給与を上げるのは難しいので、最初の交渉が、とても重要です。ある意味、転職する時というのが、一番、交渉がしやすいタイミングでもあるので、この機会を逃さないようにしてください。
もし、お金の交渉を行うのは気が引ける、あるいは、どう進めていいのか分からないということであれば、先ほど触れた転職会社に、代行してもらうことも出来ます。彼らは転職のプロなので、この手の交渉事に慣れており、うまく話を進めてくれます。
100%希望通りになるとは言えないのですが、何らかの上積みを勝ち取ってくれる可能性は十分にあるので、ぜひ一度相談してみてください。(交渉ベタな人が、自分でどうにかしようとするよりも、プロに任せてしまったほうが賢明です。)
薬剤師の就労環境について
薬剤師の就労環境についてですが、聖路加国際病院は、週5日勤務の週休二日制となり、勤務時間はシフト制となります。
聖路加国際病院では、約30名の薬剤師が在籍していますが、調剤室・注射調剤管理室・臨床薬剤室・医薬品情報室・オンコロジーセンター薬剤室・周術期薬剤室・注射調剤室の7つの部署に、ローテーションで配属されることになります。
さらに、緩和ケアチーム、栄養サポートチーム、感染予防チーム、母親学級、糖尿病教室など、様々な分野で、他職種のスタッフと連携して、特定の医療行為に取り組むことにもなります。担当部署での業務に加え、各チームでの業務が加わるので、関わる仕事は多岐に渡ります。
時期によって、仕事の内容が異なることになりますが、トータルで見ると、薬剤師が担当する業務の幅は、とても幅広くなっているので、色々なことが経験出来る職場と言えます。
ちなみに、聖路加国際病院は、処方箋枚数が、入院調剤は月間13000枚(365日24時間薬剤師が常駐して、処方変更に対応)、外来処方については、3000枚というふうに、非常に仕事量が多い職場です。
一人当たりの業務量は多く、勤務時間内は、常に仕事に追われることになると、考えてください。
成長環境について
聖路加国際病院における、薬剤師の教育環境は、とても充実しています。新人職員の教育はもちろんのこと、スキルアップを目的とした専門研修もありますし、専門薬剤師の資格取得のためのバックアップ体制も整備されています。
(興味がある分野を担当させてもらえるので、ここで臨床経験を積むことが出来ます。聖路加国際病院には、複数の資格を持っている薬剤師が多いので、資格取得に対する興味がある人には、最適な職場です。)
現場におけるOJTの仕組みがしっかりしていますし、スタッフの計画的な育成状況を把握するための手法も確立されており、効率的に教育が為されています。
地域の保険薬局と医薬品に関する情報交換会、製薬会社との合同勉強会、妊婦に対する服薬指導、抗がん剤、感染予防などを、特定のテーマに沿った院内の勉強会などが、定期的に開催されているなど、知識を深める場は多いです。
また、毎年1~2回、学会発表や論文発表を定期的に行なっているので、ここも、知識習得の格好の機会となっているようです。
女性の働きやすさについて
女性の働きやすさという観点で見ると、聖路加国際病院は、3交代勤務があるなど、小さな子供を持つ女性にとっては、看護師と同様、大変な面はあります。
しかし、院内保育所・病児保育室が完備されていますし、状況によっては、夜勤が発生しない部署に配属してもらえる可能性もあるので、そこは病院側と話し合ってみてください。
ちなみに、仕事の内容や割り振りについては、男女平等の職場であり、女性も責任ある地位について、働くことが期待されているので、キャリア志向が強い女性にとっても、満足出来る職場のはずです。
聖路加病院の転職としての価値
ここまで、聖路加国際病院の就労環境についてお伝えしてきましたが、いかがだったでしょうか。日本屈指の総合病院で、症例数が、かなり多いうえに、専門分野も幅広いので、最先端の医療に携わり、自分の知識やスキルを磨きたいという人には、最適な職場環境です。
ただし、仕事自体は忙しいですし、夜勤もあるので、大変です。その状況と比較して、待遇面がずば抜けて良いというわけではないので、そこをどう考えるということはあります。
結局は、自分が何を重視するのか、考え方次第ということになるので、自分自身の価値観と照らしあわせながら、転職の判断を下すようにしてください。
下記に、聖路加国際病院の中途採用求人を扱っている転職会社をリストアップしていますが、彼らは、病院内の事情に精通しているので、より詳細な情報が欲しいということであれば、直接問い合わせてみてください。
(聖路加国際病院が、本当に自分に合っている病院なのかどうか、相談することも可能です。適切なアドバイスをもらえるので、参考になるはずです。)
また、繰り返しになりますが、転職会社は様々な求人案件を保有しているので、違う求人を紹介してもらうのもアリです。
聖路加国際病院自体、薬剤師は頻繁に募集がかかるものではないので、タイミングによっては、なかなか、転職の機会が得られないという可能性もあります。
ほかの求人にも目を向けながら、視野を広くして、転職活動を行ったほうがいいので、ぜひ、聖路加国際病院以外の求人についても、色々と話を聞いてみてください。
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