いきなり結論からいえば、育児をしながらMRとして働くというのは厳しいです。
MRというのは医者を相手とする仕事ですが、ドクターというのは極めて多忙な人達ばかりなので、むこうの都合に合わせて、自分の生活パターンを合わせなければいけません。夜や休日の付き合いも多くなります。
その大半は飲むことなので、体にもきます。長時間労働で勤務時間は不規則、夜は夜で飲み会があり疲労もたまる。独身者にとっても過酷な環境です。とてもではありませんが、子育てと両立出来るような仕事ではありません。
加えて、どこの製薬会社でもMRは全国規模で転勤がありますが、これも小さな子供を持つ女性にとっては受け入れがたいことのはずです。
MRは子育て・家庭との両立を目指す人にとっては、最も避けるべき職業と言えます。 薬剤師の仕事のなかでも、MRは華やかで高収入も望める花形職業ですが、他の選択肢を検討したほうが賢明です。
乳幼児育児中の人が転職活動をする時の注意点
MRという職業は別格としても、小さな子供を育てている人が職探しをするのは大変です。雇う側からすると、子供が体調を崩すたびに『休ませてください』となるのでは、なかなか雇いづらいのが正直なところです。
薬剤師は売り手市場といっても、そこがネックで、なかなか仕事が決まらない可能性もあります。
いざという時、どうするのか、予め対応策を考えておくべきです。最も安心なのは家族や実家に協力してもらうことですが、それが難しいのであれば、病児保育・病後児保育といった地域の支援制度を利用することです。
ファミリーサポートセンターの会員になるという選択肢もあります。このあたりの支援体制は地域によって充実度が違うので、事前に調べておくことです。
もう一つの選択肢は子育てをバックアップしてくれる職場を選ぶことです。大きな病院であれば、病院内に保育所を用意しているところもありますし、薬局やドラッグストアでも、提携保育園を勤務地の近くに用意しているところもあります。
時短勤務制度などを独自に用意している企業もあります。
このように薬剤師として働くうえでは、子育てと両立しやすい職場は探せばたくさんありますが、いずれにしてもMRという職業では厳しいので、ここは諦めたほうがいいです。
もし、薬剤師としてのキャリアアップも目指したいのであれば、管理薬剤師として働いたり、様々な門前薬局を経験することです。
たとえば総合病院の門前薬局では、内科から外科まで幅広い知識が求められますし、専門病院の門前薬局では、対象範囲は狭いけれども、その分野に関する深い知識が求められるので、知識量は飛躍的にのびます。
薬局勤務であれば、勤務時間やスケジュールの調整がしやすいですし、残業ゼロ、短時間労働も難しくありません。
今は転職をしやすい状況なので、こんなことも可能です。MRとして働くよりも現実的です。